ごあいさつ

ごあいさつ

学会の果たすべき役割

日本国際経済学会 会長 中西 訓嗣

1950年に設立された長い歴史を誇る日本国際経済学会の会長に選出されましたことを大変光栄に思うとともに、その伝統を前にして緊張を隠せぬ気持ちです。良き伝統を継承しつつも、研究・教育環境の変化に対応できる新たな体制の構築や学会活動の一層の充実に取り組んでいく所存です。

さて、日本国際経済学会は、その設立の時から、研究対象や分野、方法論、あるいは社会思想的バックボーンが異なる様々な研究者を包摂してきました。研究者が自分の研究テーマに近い濃密な交流のみを求めて小さなクラスタに閉じこもりがちであることを考えると、この「多様性」は私たちの学会の持つ優れた性質、残していくべき良き伝統であると言えます。複雑ネットワーク理論において「弱い紐帯」がネットワーク全体のパフォーマンスに強い影響を与えるように、淡くとも広い領域に及ぶ研究者の繋がりによって学会全体の柔軟性と発展の可能性がもたらされます。多様な研究者を繋ぐネットワークを支えることが、学会の果たすべき重要な役割の一つと考えます。

学会の役割については、対内面と対外面とを考慮しなければなりません。対内的な課題としては、各支部活動の相互交流促進と若手研究者の育成が挙げられます。現在、各支部では、独自の定例研究会やシンポジウムなどが活発に催されています。他方で、異なる支部の行事日程が重複するなど、うまく連携がとれていない状況も散見されます。全体の調整を図りながら相互交流を進めていけば、効率的な運用を実現できるはずです。役員の業務分担の見直しや本部・支部体制の再構築などを通じて、人的・物的資源の有効活用を図っていきたいものと思います。

若手研究者の育成は、歴代会長も取り組んできた課題です。これまでに、全国大会における英語報告やポスターセッションの導入、特定領域研究奨励賞(小田賞)創設などが行われてきました。近年では、大学院生や若手研究者が常勤研究職を得るためには査読付き学術誌に出版業績のあることが当然視されていますが、これを実現するための「場」として、機関誌『国際経済』および『The International Economy』を一層魅力あるものにしていく工夫も大切だと考えています。

対外的な課題としては、情報発信の強化が挙げられます。学会HPが設置されて久しく経ちますが、いまだインターネットを十全に活用できているとは言えません。情報発信強化に向けて、HP担当役員の方々には、レイアウトの見直し、英語ページの充実、電子掲示板の新設等の準備を進めていただいています。また、会員名簿の電子化やメーリングリストの作成といった提案についても、新役員体制の下で検討を開始いたしました。

全ての学会活動は会員の皆様の参加によって成り立っています。皆様からのご意見・ご提案をいただきながら、学会をよりよいものに整備していきたいものと思います。皆様の積極的なご参加とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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