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カーボンニュートラルの社会実装を目指す欧州グリーンディール—その現状と課題

2023.11.01

 本公開講演会は、市村清新技術財団地球環境研究助成「欧州グリーンディール具体化のための新産業戦略と日EUグリーンアライアンス」(研究代表:蓮見雄、本学経済学部教授)の活動の一環として行われる。2019年末にEUが新たな成長戦略として公表した欧州グリーンディールは、カーボンニュートラルを目指す世界で最も体系的な政策である。同政策は、2020年7月にCOVID-19危機を契機として合意された復興基金の中核に位置づけられ、資金的裏付けを得て、2021年7月に「持続可能性(sustainability)の主流化」を目指す政策パッケージ(Fitfor55)が示された。
 同年5月には、日EUグリーンアライアンスが合意されている。さらに、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を契機として、EUは、脱ロシア依存の実現を目指すREPowerEU計画に取り組み、グリーンディール産業計画を打ち出している。
 そこで中心的な課題となっているのは、各産業の特性を踏まえて、如何にしてカーボンニュートラルを具体化していくのかという移行経路(transition pathways)問題である。言い換えれば、欧州グリーンディールは、まさにカーボンニュートラルの社会実装に取り組んでいる。
 本研究は、欧州グリーンディールの具体策としての欧州新産業戦略に焦点を当てることによって、EUにおける脱炭素経済への移行経路の現状と課題を明らかにするとともに、日EUグリーンアライアンスを通じた日本への影響について分析を行う。欧州グリーンディールに対する欧州産業の適応と産学官連携に基づく移行経路の共創過程の分析により、日本の脱炭素経済への移行経路を考える上で有益な示唆を得ることが期待される。
 そこで、本研究プロジェクトの共同研究者による研究成果に加えて、海外の環境法規制、エネルギー政策分野における総合コンサルティングを行っているエンヴィックス有限会社(EnviX)と共催で、すなわち産学連携に基づいて本公開講演会を開催する。

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