ごあいさつ
日本国際経済学会 会長 神事 直人
2024年10月より日本国際経済学会の会長となりました京都大学大学院経済学研究科教授の神事直人です。日本国際経済学会は2025年に創立75周年を迎える、伝統ある学会です。国際経済学を中心に、開発経済学や国際マクロ経済学、都市経済学、空間経済学、産業組織論、世界各国の地域研究など、近接する様々な分野の研究者の方々が会員として活動しています。
日本は国内の天然資源が希少であるなかで、貿易立国として経済発展を遂げてきたという歴史的な背景もあって、国際経済学は伝統的に日本で活発な研究が行われてきた分野です。これまでに世界的にも著名な研究者を何人も輩出してきています。現在も、世界の研究をリードする研究者が本学会に数多く在籍しており、優れた研究成果が全国大会や春季大会、各支部の研究会などで報告されています。若手の研究者の皆さんには、ぜひとも各大会や研究会に参加して、そうしたレベルの高い研究に触れていただきたいと思います。
他方、日本国際経済学会では、これまでも若手研究者の育成に力を入れて参りましたが、近年さらに一層力を入れています。具体的には、これまで大学院生の皆さんは、博士課程(または博士後期課程など、それと同等の課程)に進学してからでないと学会活動に参加していただけませんでした。それに対して、2024年度から新しく「準会員」制度を創設して、修士課程(または博士前期課程など、それと同等の課程)の大学院生の皆さんも全国大会や春季大会に参加して研究報告を聞いたり、各支部の研究会で研究報告を行ったりしていただくことができるようになりました。国際経済学または関連分野の研究に関心を持っていらっしゃる修士課程の大学院生の皆さんは、ぜひとも「準会員」に登録をして本学会の活動にご参加ください。さらに支部のレベルでは、学部学生の皆さんが研究報告を行うような企画も行っています。こうした機会を活かして、学部学生の皆さんには、国際経済学の分野の研究に関心をもっていただき、大学院に進学して研究者を目指すことを選択肢として考えていただければ幸いです。
また、本学会では和文誌『国際経済』と英文誌『The International Economy』の2つの機関誌を発行しています。どちらも査読付学術専門誌ですが、投稿料は無料で、オープンアクセスになっており、掲載された論文は世界中の研究者に読んでいただくことができます。実際、常に世界の様々な国からアクセスがあり、論文が閲覧されています。『The International Economy』は会員以外でも投稿していただくことができます。会員の皆様はもちろん、非会員の研究者の皆様も、ぜひご自身の研究成果を世界に向けて発信する手段として、本学会の機関誌をご検討ください。
最後になりましたが、本学会は会員の皆様の活発な研究活動によって支えられています。ぜひとも会員の皆様お一人お一人が、今後も活発に研究活動に取り組んでいただけることを心より願っております。
2024年10月10日