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国 際 経 済 学 会 会 員 の 皆 様へ

国際経済学会会長  本山 美彦

1996年10月20日、千葉大学で行われた第55回国際経済学会全国大会での会員総会において、国際経済学会の会長に私が選任されました。50年に及ぶ長い伝統に培われ、輝かしい実績を積み上げてきた国際経済学会の重さを思うと気が遠くなりますが、誠心誠意学会の発展のために尽くす所存ですので、会員の皆様の力強いご協力をお願いします。

学会の本部事務局を引き受けて、はや1か月が経過しましたが、事務量の膨大さと煩雑さには想像を絶するものがあります。改めて、これまでの事務局を担ってこられてきた人々のご苦労に、万感の思いで感謝します。学会の会長の所属機関が本部事務局を担う現行方式をそのまま踏襲するならば、この事務量の多さから、本部担当者はほとんど研究ができず、有能な若い人材がつぶされるという危険性が現実的にあります。近い将来、会長や本部事務局を引き受ける有能な人がいなくなる可能性すら否定できません。会長の選任についても、従来の方法に対する厳しい批判が今回は数多く出されました。いまや、会長の選任方法と本部事務局のあり方を根本的に改め、分散化と外部委託方法の模索を一刻も早く開始しなければならないと痛感しております。

現代社会はますます多様な分岐を示しております。学問もそれに応じた多様な発想とアプローチが模索されるべきでしょう。多様な人材と多様なスタイルをもった学問が、国際経済学会の共有財産になれば、素晴らしいことだと思います。それぞれの研究者が、訓練を受けてきたそれぞれのパラダイムとは異なるパラダイムと出会う場を、国際経済学会が用意できればと、願っております。学問とは本来地味なものです。有能な人材の発掘こそが、学会の最大の課題であると信じてやみません。そのためにも、出版事業と大会プログラム作成方法の抜本的改革が図られるべきでしょう。山積する問題を着実に処理できるように、会員の皆様のお力をお貸し下さい。

96年11月25日

1996年度国際経済学会会員総会議事録

1996年10月19日(土)午後

(1)平成7年度決算案を承認した(ただし『国際経済学会ニュース1996年10月4日号』(2頁)の資料のうち、「今年度会費」の備考欄の記載文言、および支部運営費の「関東支部」の備考欄の記載文言は抹消する)。

(2)平成8年度予算を承認した。

(3)理事・監事選考委員会より推薦のあった理事36名、監事2名を承認(氏名・所属機関は後出)した。

(4)平成8年度新入会員61名を承認した。

(5)第56回全国大会を西南学院大学で開催することを承認した後、同機関を代表して吾郷健二・理事より挨拶があり、1997年10月10日(金・祝)と翌11日(土)の2日間全国大会、12日(日)に記念シンポジウムを開催する予定の発表があった。

(6)平成9年度事業計画として、例年どおり、第56回全国大会の開催、同記念シンポジウムの開催、機関誌『国際経済』の発行が報告され承認した。

(7)出版委員会の提案事項の説明があり、次の新理事会で継続して検討することを了承した。

(8)日本学術会議の研究団体登録抹消問題について、斎藤会長から期限を忘却したミスであるとの陳謝が表明された。会員から、そうなった理由を次号の『国際経済学会ニュース』において明らかにするよう要求があり、斎藤会長が約束した。

1996年10月20日(日)午後

(1)新会長として本山美彦氏(京都大学)の就任が、新理事会を代表して池間誠・理事(新会長より常任理事に指名)より報告された。

(2)新会長より、常任理事10名の発表があった(氏名・所属機関は後出)。

(3)新会長より、常任理事・理事の業務分担の発表があった(後出)。なお、関東支部の常任理事・理事の業務分担は後日『国際経済学会ニュース』において発表される。

(4)新本部事務局を京都大学経済学部の岩本武和研究室に置くことが発表された。

(5)第56回全国大会プログラム委員の発表があった(後出)。

(注)1.『国際経済学会ニュース1996年10月4日号』の「1996年会員総会議題」(1頁)の見出し・順序に不適切な点がありました。実際には、上記の議事録の順序で行われました。

   2.『国際経済学会ニュース1996年10月4日号』の「国際経済学会平成7年度決算案」(2頁)についても、上記の議事録(10月19日午後)(1)の付帯記事の訂正が行われた上で、議題として提案され審議・決定されました。

各支部の活動報告

(『国際経済学会ニュース』1996年11月25日号掲載分以後)

【関東支部の活動】

国際経済学会関東部会

●日時:1996年12月14日(土) 会場:慶応義塾大学三田キャンパス 北館

 1. アジア太平洋地域における貿易拡大

     −グラビティ・モデルを用いて− 遠藤正寛(小樽商科大学)

 2. 情報スーパーハイウェイと国際メガメディア資本の形成

                            奥村皓一(関東学院大学)

●日時:1997年1月11日(土) 会場:慶応義塾大学三田キャンパス 塾監局

 1. APECマニラ会議の成果と今後の課題       山澤逸平(一橋大学)

 2. 国際秩序の政治経済学               加藤義喜(日本大学)

●日時:1997年4月19日(土) 会場:日本大学経済学部3号館4階会議室

 1. 東アジアにおける貿易と投資の相互依存的拡大    浦田秀次郎(早稲田大学)

 2. 日本企業の海外進出に伴う貿易構造の変化

    −製造業についての実証分析−          星野優子(電力中央研究所)

【中部支部の活動】

中部支部定例研究会・総会

 日時:1996年12月14日(土) 会場:東山会館  座長:奥村隆平(名古屋大学)

 1. 経済開発と人材開発政策

     −マレーシアの試みを中心に−         竹野忠弘(名古屋工業大学)

 2.日本企業の海外直接投資と貿易収支           森川浩一郎(愛知学院大学)

【関西支部の活動】

◎ 日本学術会議国際経済研究連絡委員会・国際経済学会関西支部共催シンポジウム

     「移行経済の諸問題−ロシア・中東欧の現状・課題・将来」

      日時:1996年12月7日(土)  会場:関西大学100周年記念会館

開会の辞:池本 清氏(大阪学院大学・日本学術会議国際経済研究連絡委員会委員長)

 講演1 座長:朝岡良平氏(早稲田大学・日本学術会議国際経済研究連絡委員会委員)

  「移行経済の諸問題(1)」              大津定美(神戸大学)

 講演2 座長:中兼和津夫氏(東京大学・日本学術会議国際経済研究連絡委員会委員)

  「移行経済の諸問題(2)」              森本忠夫(龍谷大学)

 講演3 座長:井川一宏氏(神戸大学)

  「移行経済の諸問題(3)」              長砂 実(関西大学) 

討論・質疑 座長:松村文武氏(大阪経済大学・日本学術会議国際経済研究連絡委員会委員)

閉会の辞:本山美彦氏(京都大学・国際経済学会会長)

◎ 国際経済学会関西支部研究会

●日時:1997年1月25日(土)   会場:大阪市立大学文化交流センター

 1. 11世紀東アジアの銅銭の流通について        井上正夫(京都大学大学院)

                      討論者   中島健二(金沢大学)

 2. 東アジアの経済発展と日本企業の技術移転       片山三男(神戸大学大学院)

                      討論者   杉野幹夫(関西大学)

●日時:1997年3月22日(土)   会場:大阪市立大学文化交流センター

 1. 中国の繊維産業 −多角繊維国際協定への加盟と中・米繊維貿易摩擦−

                            顔 景霖(山東大学・大阪市立大学)

                      討論者   鄭 海東(福井県立大学)

 2. 中国の金融制度改革                干 永達(清華大学・京都大学)

                      通訳    洪 詩鴻(阪南大学)

                      討論者   山本恒人(大阪経済大学)

【九州・山口地区の活動】

●日時:1996年7月27日(土)  会場:久留米大学御井学舎200号館3階第1会議室

 1. 国際物流システムとNVOCC−多国籍企業の国際ロジスティック戦略と関連して−

                姜 昌賢(九州大学)・徳永正二郎(九州大学)

 2. 世界の直接投資−歴史・現状・理論         亀井正義(龍谷大学)

 3. シティからみたイギリス資本主義概観−最近の「イギリス産業革命」再検討論によせて−

                            楊枝嗣朗(佐賀大学)

●日時:1996年11月23日(土)   会場:北九州大学1号館204教室

 1. 経済発展と金融改革                小笠原礼以(九州大学大学院)

 2. 逐次ゲームにおける戦略的貿易政策         大川隆夫(西南学院大学)

 3. 戦後貿易秩序の形成を巡る英米の協調と角逐     山本和人(福岡大学)

 4. ドイツ賠償問題とカーディフ炭           山崎勇治(北九州大学)

● 日時:1997年3月22日(土)   会場:福岡大学セミナーハウス

 1. 国際競争力と制度                 石田 修(九州大学)

 2. アジアにおける自由化の進展と競争構造の変化

  −日本自動車メーカーの新アジア戦略−        居城克治(福岡大学)

 3. ISバランス(貯蓄投資)方程式の意味       伏見一彰(九州共立大学)

◎ 国際経済学会第56回全国大会について

 

 1997年10月10日〜12日に西南学院大学において開催される国際経済学会第56回全国大会について、3月29日に大阪学院大学で開催されたプログラム委員会において、共通論題の報告者および座長が以下のように決定されました。自由論題(10月11日)の報告者も決定されましたが、座長および討論者、また記念シンポジウム(10月12日)を含めた詳細は、西南学院大学準備委員会(吾郷健二委員長)から後日プログラムが発送されます。

 共通論題(10月10日):テーマ「開発と世界システム−市場経済・援助・環境−」

  1. 世界経済の現段階と周辺部   座長:西川 潤(早稲田大学)

    報告者:伊豫谷登士翁(一橋大学) 討論者:本多健吉(福井県立大学)

  2. 援助・開発・環境       座長:@ 照彦(名古屋大学)

    報告者:絵所秀紀(法政大学)   討論者:中内恒夫(東洋英和女学院大学)

  3. 移行経済と世界経済      座長:木下悦二(久留米大学)

    報告者:溝端佐登史(京都大学)   討論者:長砂 実(関西大学)

◎ 会費未納者について

 本部事務局宛に退会希望を通知された会員を別として、3年間会費未納者は会則にしたがって除籍となりますが(1997年3月末が期限)、会費未納者で会員資格維持を希望される方は、本部事務局に通知のうえ、5月末日までに学会事務センター宛に会費を納入して下さい。

◎ 支部事務局の移転について

 1. 1997年4月1日より、関東支部事務局が横川和男研究室(日本大学)に、関東支部代表が池間 誠氏(一橋大学)に変わりました。[ なお、4月19日の関東支部役員会において、大山道広氏(慶應義塾大学)を当面関東支部代表代行としておくことが決まりました。]

 2. 1997年4月1日より、九州山口地区の幹事が小川雄平氏(西南学院大学)に変わりました。


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