国際経済学会会長
池間 誠国際経済学会は、「国際経済の理論、政策、実情に関する研究およびその普及をはかることを目的」として、1950年4月に創立されました。以来、会員の皆様の協力、そして歴代理事長・会長の尽力のもと、多くの会員が、本学会での研究報告、切磋琢磨を通して着実に研究を進展させ、国際的にも貢献してきました。このような伝統と実績に輝く国際経済学会の会長に、1998年10月25日に関東学院大学で開催された第57回国際経済学会全国大会の会員総会で私が選任されましたことは、身に余る光栄であり、それ以上に責任の重さを痛感致しております。微力ながらも、学会の発展のために誠心誠意尽くす所存ですので、会員の皆様のますますのご協力とご助言をお願い致します。
周知のとおり、商品・資金・技術・情報は相携えて、国際経済を拡大させ、進化させ、一体化を促進していますが、また同時に、各国経済に内在する特殊性をも浮き彫りにしてきております。このような国際経済のダイナミックな動向と進展を、特定の固定したアプローチで分析することは困難でありましょう。分析手法だけでなく、研究方法の対応も迫られているように思います。ところが、他方においては、私たちが身を置く研究教育環境には、短期間での研究業績の定期的評価、教育体系の組織化と教育行政の負担増大など厳しいものがあります。この状況の中で、「国際経済の理論、政策、実情に関する研究」を積極的に推進する場として、会員の皆様が国際経済学会を活発に利用され、研究業績を着実に上げられ、「その普及をはかる」ことを願っております。
学会創立50周年を2000年に迎えますが、その年の全国大会は一橋大学で開催することになっております。過去50年の「国際経済の理論、政策、実情」を検討しつつ、現在の「国際経済の理論、政策、実情」の問題を究明し、将来の展望を得たいと考えてはいますが、具体的には皆様のご助言を得ながら詰めたいと思います。また記念事業についても記念事業準備委員会を中心に検討を進めて行きます。重ねて、会員の皆様のご協力とご助言をお願い致します。
1998年11月20日
第1日 日時:1998年10月24日(土)13:30〜14:20 会場:関東学院大学SCC館4階ベネット・ホール
座長:大山道広・常任理事
1.平成9年度決算案を原案どおり承認した(『国際経済学会ニュース1998.9.10』3頁参照)。
2.平成9年度事業報告を承認した(『国際経済学会ニュース1998.9.10』2頁参照)。
3.平成10年度事業計画案を承認した(『国際経済学会ニュース1998.9.10』2頁参照)。
4.平成10年度予算案について提案どおり承認した(『国際経済学会ニュース1998.9.10』4頁参照)。
5.新理事・新監事候補者選考委員会より推薦があった理事36名、監事2名を承認した(後出「役員名簿」4頁を参照)。
6.平成10年度新入会員72名を承認した(『国際経済学会ニュース1998.9.10』4頁、および後出「平成10年度入会申込者(追加分)」6頁参照)。
7.第58回全国大会開催機関は大阪産業大学であることを承認した。同大学を代表して、新保博彦・理事より挨拶があり、1999年10月23日(土)と24日(日)に全国大会、22日(金)にシンポジウムを開催する予定との発表があった。
8.以下の内規等の改正について承認した。
@「全国大会運営」内規の文中の「役員」を「理事」に訂正する。
A「理事・監事候補者選考方法および理事・監事選考委員会」内規の見出しと文中の「理事・監事選考委員会」を「理事・監事候補者選考委員会」に訂正する。
B「新理事・監事候補者選考委員選出のための投票実施について」の文中の「選考委員候補者」を「選考委員」に、「理事・監事選考委員会」を「理事・監事候補者選考委員会」に訂正する。
C「入会申込説明書」(会員名簿の末尾に挿入分)について、その申込書を切り取って使用できることを追加し、業務委託先を学協会サポートセンターに訂正する。
9.日本・韓国国際経済学会学術交流趣意書」に「(6)以上の合意は、5年に一度見直しをすることができる。」を追加する一部改正を承認した(『国際経済学会ニュース1998.9.10.』6頁参照)。
10.第57全国大会においてECAAR(軍縮を考えるエコノミストの会)セッションを開催すると丹下敏子・理事より説明があり、これを承認した。
11.平成11年度および平成12年度の新規事業について
@平成11年度の機関誌『国際経済(全国大会報告号)』第50号記念(1999年5月)の別冊『総目録』の発行を承認し、『総目録』発行委員会の設置を承認した。刊行費用は特別事業活動基金より支出することも承認した。
A平成12年度の学会創立50周年記念事業は平成12年秋に開催予定の第59回全国大会と同時開催することを承認し、学会創立50周年記念事業委員会の設置を承認した。また、記念事業の経費は特別事業活動基金から支出することを承認した。
B平成12年度の学会創立50周年記念の出版物刊行について、本多健吉・常任理事より説明があり、学会創立50周年記念編集委員会を設置を承認した。また、学会創立50周年記念の出版物刊行の経費は特別事業活動基金から支出することを承認した。これらに関する予算執行措置について、会長、財務担当理事、および企画・渉外担当理事に一任することを承認した。
12.その他
@日本学会事務センターへの業務委託が1998年3月31日をもって終了したことについて説明がありこれを承認した。なお、残高約160万円が未入金との報告があった。
A学協会サポートセンターへの業務委託を1998年4月1日から開始したことについて説明がありこれを承認した。
B本部事務局で購入したパソコンおよびワープロ(ともに東芝製)の処分について、先ず入札にするが、応募者がなければ廃棄することを承認した。
第2日 日時:1998年10月25日(日)13:00〜13:30 会場:関東学院大学8号館501教室
座長:井川一宏・常任理事
1.新会長は、理事会により理事の池間 誠氏(一橋大学)に決定したとの発表があった。
2.新本部事務局は亜細亜大学国際関係学部・小川春男研究室に置くとの発表があった(新本部所在地は巻頭と末尾に掲載)。
3.新常任理事10名の発表があった(氏名は後出「役員名簿」4頁参照)。
4.新幹事が、新常任幹事を含めて、発表された(氏名は後出「役員名簿」4頁参照)。
5.新本部業務の役割分担の発表があった(内容は後出の新「役員業務分担」5頁参照)。
6.第58全国大会(1999年)のプログラム委員会の委員長および委員の発表があった。(委員長は新保博彦・理事、委員は後出の新「役員業務分担」5頁全国大会プログラム担当を参照)。
7.新顧問として本山美彦・前会長を推挙したとの発表があった。
8.新入会員追加1名を承認した。
9.平成11年度および平成12年度の新規事業および予算措置について
@平成11年度(1999年5月)の機関誌第50号記念の別冊『総目録』発行委員会の委員長は岩本武和・理事、委員は阿部顕三・理事と嶋田巧・理事とする発表があった。
A平成12年度の学会創立50周年記念事業準備委員会および学会創立50周年記念編集委員会について、委員指名は会長に一任することを了承した。また、各委員会が企画とそれにともなう予算案を持ち回り理事会で決定した上、次年度総会の議題とすることを了承した。
10.学会のホームページの英語版については、日本経済学会連合に提出している英文資料を転用することが決定した。
◎第57回全国大会記念特別講演
第57回全国大会を記念して、10月23日(金)午後2時30分から4時まで、世界的に有名である1980年度ノーベル経済学賞受賞者のクライン・ペンシルベニア大学名誉教授(L.R.Klein)をお迎えして、関東学院大学SCC館4階ベネット・ホールで"The AsianEconomic Crisis"というテーマの特別講演会が開催された。アジア諸国の通貨危機・金融危機は日本にとっても重大であり、理論家としての分析に参加した多くの国際経済学会会員や横浜市民に感銘を与えるところ多大であった。
池本 清・顧問
◎第57回全国大会を終えて
第57回全国大会が10月23日(金)から10月25日(日)まで関東学院大学で開催されました。いろいろ至らないことや不手際がありましたが、おかげさまで盛会裏に終了することができました。これも皆様のご協力の賜と心から感謝しております。有り難うございました。
10月23日のローレンス R.クライン・ペンシルベニア大学名誉教授による「TheAsian Economic Crisis」という特別講演では、アジアの経済危機について示唆に富む講演が行われました。24日の「東アジアの経済成長−21世紀も持続できるか」という共通論題報告では、東アジア諸国の経済危機を背景に、21世紀に向けての活発な報告・討論が行われ、多大な成果をおさめました。25日の自由論題報告では、理論・金融・アジア問題等多岐にわたる分科会がもたれ、さらに、韓国国際経済学会のご協力による分科会、ECAAR(軍縮問題を考えるエコノミストの会)分科会も設けられ、国際経済学会らしい国際的な全国大会となりました。
今後の問題の1つとして、現在3支部別に分かれている会員名簿の問題があります。討論者の所属機関を確認するためなど名簿を使用する度に、3支部別名簿に不便を感じました。今後の全国大会開催校のためにも、全国統一の会員名簿、さらに、所属機関の住所・電話番号・所属会員名リストが望まれます。世界経済研究協会専務理事の韮澤嘉雄様から全国大会開催に向けてご寄付をいただきました。皆様へのご報告とともに、厚く御礼申し上げます。
1998年11月20日
関東学院大学 丹下敏子・理事
役 員 名 簿(○印は新役員)
会長
○池間 誠(一橋大学)
常任理事(定員10名)
井川 一宏(神戸大学) 石井 安憲(横浜市立大学) 大山 道広(慶応義塾大学)
○小島 眞(千葉商科大学) ○徳永 正二郎(九州大学) 内藤 能房(名古屋市立大学)
西川 潤(早稲田大学) 本多 健吉(福井県立大学) ○松村 文武(大阪経済大学)
○渡辺 利夫(東京工業大学)
理事(定員25名)
阿部 清司(千葉大学) 阿部 顕三(大阪大学) 安保 哲夫(帝京大学)
諫山 正(新潟大学) 岩本 武和(京都大学) 上野 秀夫(近畿大学)
馬田 啓一(杏林大学) ○小川 春男(亜細亜大学) ○奥村 隆平(名古屋大学)
○唐澤 延行(中央大学) ○小浜 裕久(静岡県立大学) ○嶋田 巧(同志・尅蜉w)
○小浜 裕久(静岡県立大学) ○嶋田 巧(同志社大学) ○新保 博彦(大阪産業大学)
○杉野 幹夫(関西大学) 鈴木 典比古(国際基督教大学) 関下 稔(立命館大学)
田中 素香(東北大学) 丹下 敏子(関東学院大学) ○寺町 信雄(京都産業大学)
○中本 悟(大阪市立大学) ○西村 可明(一橋大学) ○船津 秀樹(小樽商科大学)
山田 健治(椙山女学園大学) 横川 和男(日本大学) ○若杉 隆平(横浜国立大学)
監事
○箱木 眞澄(東北大学) ○山本 栄治(甲南大学)
幹事
【本部】(*印は常任幹事を示し、本部会計の任にあたる。)
○新井 敬夫(亜細亜大学)* 石川 城太(一橋大学) ○大野 健一(埼玉大学)
高橋 知也(亜細亜大学) 中澤 進一(青山学院大学)
【関東支部】
笠井 信幸(八千代国際大学) ○トラン・ウァン・トウ(桜美林大学)
和気 洋子(慶応義塾大学) 岸 真清(中央大学)
【中部支部】
石瀬 隆(愛知学院大学) 柿元 純男(中京大学)
多和田 真(名古屋市立大学) 山田 正次(南山大学)
【関西支部】
○岡本 久之(神戸商科大学) ○島上 健(福山大学) ○高増 明(大阪(神戸商科大学)
○島上 健(福山大学) ○高増 明(大阪産業大学) 徳田 明夫(鹿児島経済大学)
中西 訓嗣(神戸大学) 広瀬 憲三(関西学院大学)
顧問
小島 清(一橋大学名誉教授) 渡辺 太郎(大阪大学名誉教授)
渡部福太郎(学習院大学名誉教授) 池本 清(神戸大学名誉教授・大阪学院大学)
斉藤 優(中央大学) ○本山 美彦(京都大学)
(注)なお、上記役員名簿は会員総会において承認されたものです。岸 真清氏と大野健一氏はサバティカル等のご都合上、幹事をご辞退されました。
役 員 業 務 分 担(○印は責任者)
【関東支部】 【中部支部】 【関西支部】
総務担当
常任理事 |
○西川潤 |
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理 事 |
小川春男・諫山 正 唐澤延行・鈴木典比古 |
奥村隆平 |
岩本 武和 |
幹 事 |
高橋知也・石川城太 |
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財務担当
常任理事 |
○石井安憲 |
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松村文武 |
理 事 |
安保哲夫・船津秀樹 |
山田健治 |
関下 稔 |
幹 事 |
新井敬夫 |
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会員名簿担当
常任理事 |
○渡辺利夫 |
内藤能房 |
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理 事 |
若杉隆平 |
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嶋田 巧 |
幹 事 |
中沢進一 |
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出版担当
常任理事 |
○小島 眞 |
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井川一宏 |
理 事 |
横川和男・阿部清司 丹下敏子 |
山田健治 |
阿部顕三 |
幹 事 |
笠井信幸・大野健一 |
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企画・渉外担当
常任理事 |
○大山道広・小島 眞 |
内藤能房 |
本多健吉 |
理 事 |
馬田啓一・田中素香 西村可明 |
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上野秀夫 |
幹 事 |
和気洋子 トラン・ウァン・トゥ監査 |
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監 事 |
箱木真澄 |
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山本栄治 |
全国大会プログラム担当
常任理事 |
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徳永正二郎・松村文武 |
理 事 |
安保哲夫 |
奥村隆平 |
○新保博彦 |
幹 事 |
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支部運営担当
常任理事 |
大山道広 |
内藤能房 |
徳永正二郎 |
理 事 |
鈴木典比古・唐澤延行 |
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杉野幹夫・寺町信雄 中本 悟 |
幹 事 |
岸 真清 |
石瀬 隆・柿元純男 多和田真・山田正次 |
岡本久之・島上 健 高増 明・徳田明夫 中西訓嗣・広瀬憲三 |
(注)なお、上記役員業務分担は会員総会において承認されたものです。岸 真清氏と大野健一氏はサバティカル等のご都合上、幹事をご辞退されました。
各 支 部 の 活 動 報 告
◎関東支部の定例研究会
●日時:1998年11月21日(土) 会場:日本大学経済学部3号館4階会議室
1.次期WTO農業交渉に向けての国際的動向−ウルグァイラウンド以降の農産物貿易関連事項と国際的見解
上原秀樹(日本大学)
2.EU単一通貨ユーロの国際的側面 田中素香(東北大学)
●日時:1998年12月19日(土) 会場:日本大学経済学部本館2階大会議室
1.東アジアの奇跡における政府の役割の意義について
−1960-70年代の韓国、台湾、シンガポールを中心として
辻忠博(日本大学)
2.Pakistani Economy: Current Situation and Prospects M. AslamChaudhary
(Quaid-i-Azam University)
3.アジア通貨危機後のベトナム経済情勢とODA 堀江正人(海外経済協力基金)
◎中部支部の定例研究会
●日時:1998年6月6日(土) 会場:愛知厚生年金会館
1.Risk Aversion, External Asset Accumulation, and the Exchange Rate
北野重人(名古屋大学大学院)
2.香港観光開発の経済分析−競争力、インパクト、展望 小井川広志(名古屋学院大学)
3.動学的貿易理論 藤井紀和(名古屋大学大学院)
●日時:1998年12月5日(土) 会場:名古屋大学経済学部第1会議室
1.教育費、出生率、および経済成長 神野真敏(名古屋大学大学院)
2.人材開発政策の経済発展に対する効果の評価手法に関する研究
竹野忠弘(名古屋工業大学)/小井川広志(名古屋学院大学)
◎関西支部学術シンポジウム
●日時:1998年12月12日(土) 会場:甲南大学8号館2階1号室
『ユーロの衝撃』 座長:本山美彦(京都大学)
パネリスト1:単一通貨ユーロと欧州統合の展開 田中素香(東北大学)
討論者:山本栄治(甲南大学)
パネリスト2:欧州経済構造の変化と通貨統合 久保広正(丸紅調査部)
討論者:藤田誠一(神戸大学)